ナラのキャビネット

ナラのキャビネットが仕上がりました。

全体的に直線的できりりとした印象で、力強く安定感のあるデザインです。

　

こちらが入荷時の状態。

全体を研磨し、ナラ材の木地を出して仕上がりとしています。

中央の扉は元々鏡が付いていましたが、今回こちらのスペースを飾り棚として使えるように、透明のガラスに交換しました。

引き出しや戸は全て調整しており、スムーズに動きます。

　

また、本体内部を山吹色、引き出しの中は黒で塗装して仕上げています。

　

古く劣化した表面を細かな部分まで丁寧に研磨して木地を出し、さっぱりとした印象に。

枯れた雰囲気は残したまま、素材の質感そのままで仕上げ。

　

割れなどの痛みがあった背板は新しく張り替えています。

　

本体上部には横引きの木製シャッター。

入荷時は固くて開閉ができない状態でしたが、背板を張り替える際にこちらのシャッターも一度取り外して調整しています。

現状は軽くスムーズに開閉可能です。木製シャッターならではの感触で、開け閉めが楽しい扉です。

　

中段には引き出しが合計9杯。

引き出しの内部は黒塗装仕上げです。

　

中央はガラスの片開き戸になっており、中には棚板が1枚あります。

こちらの棚板は取り外しが可能ですが、高さは変えられません。

　

下段には框組でつくられた、引き違いの戸。

こちらも戸を開けると山吹色が覗きます。

中央の戸が重なる部分に付いている金具はパーツが無く、ロックはできません。

　

本体はナラの無垢材で組まれており、重厚な佇まい。

ナラの美しい虎斑(とらふ)が随所に見られます。

　

中央のガラス戸の枠の内側には彫り、枠の周りには象嵌がさりげなく施されています。金具も全体の雰囲気に合った良いデザインで、錆びた金具とナラ木地の質感も良く合います。

シャッターの手掛けも可愛らしいカタチで、細かなところまで非常に丁寧につくられています。