前欅の箪笥

前欅の箪笥が仕上がりました。

　

こちらが入荷時、リペア前の状態です。

引き出し４杯のシンプルな構成。欅（けやき）の木目がうっすらと見えています。

　

　

今回のリペアで、正面に円の表現をプラスしました。

茶色の部分は元々の漆を磨いて艶を出し、白い部分は漆を削って欅の木地を出しています。木地の部分は、削った後に木目を際立たせるひと手間を加えています。

　

正面の大きな円で、印象ががらりと変わりました。

割れがあった引き出しの底板は、シナ合板に張り替え済みです。

　

本体の天板と側板は、表面を削って整えた後に塗装しなおしており、ツルツルな仕上がりです。

　

シンプルながら存在感のある金具は、錆具合が魅力的だったため手を加えずにそのまま使用しています。

　

枯れた欅の木地と、艶のある漆との対比が楽しめる独創的な一棹です。

　

また、こちらの箪笥は同じ形のものがもう一棹あったため、正面の木地と漆を反転したものも作製しています。上の画像をタップ（クリック）していただくと、詳細がご覧いただけます。