桐の時代箪笥

桐の時代箪笥が仕上がりました。

　

こちらが入荷時、リペア前の状態です。

　

全体の状態を確認し、木部のダメージを補修。本体から金具まで塗装を施して仕上げています。

　

引き出しの前板と黒金具は、クリアで塗装して照りを出しています。

　

大きな割れがあった引き出しの底板は、シナ合板で張り替えています。

　

本体には大きな割れが複数個所あったため、全てリペアした後、深いグリーンのウレタン塗装＋磨き上げています。

加えて一部にハラコを貼り、個性的なキャラクターに仕上げました。

　

背板も割れなどのダメージが大きかったため、一度分解して古い板を取り外し、新たにシナ合板で作り直しています。

　

引き出しの前板は、桐材の木目と塗装の艶で独特の質感です。

黒い金具との相性も良く、迫力のある面持ち。

　

塗装して磨き上げた本体は、つるっと滑らかな質感。

箪笥正面の古びた桐の表情との対比が新鮮です。

　

そして一際目を引くのが、こちらのハラコ貼り。

つるっとした塗装と、ふさふさの毛並みの質感が対照的です。

古い箪笥とハラコの出会いによって、特異なキャラクターの一棹に仕上がりました。