満月の小箪笥

小ぶりな箪笥が仕上がりました。古い桐の箪笥をリメイクしています。

　

こちらが元々の状態。

　

リメイク前後の比較。

元々は砥の粉仕上げの劣化やシミなどがありましたが、木部表面を削って仕上げなおしています。構造的な緩みの締め直しや、割れた部分の埋木による補修なども行った後に仕上げています。

　

正面にはひときわ目を引く円の装飾を加えました。円形に数ミリ掘り込み、そこに毛皮を貼って仕上げています。黒い本体に浮かび上がるきれいな円は、さながら満月。

　

本体左右の上部には取手がついていて、持ち運びの際に便利です。本体の重量はおよそ8.8kg。

　

サイズ感。高さが623mm程度。比較的小ぶりです。

　　

木部は黒く染色した後にオイルで仕上げ、ナチュラルでしっとりとした質感。 本体は全て桐の無垢材で、美しい木目が楽しめます。

　

毛皮と木部の質感の対比が新鮮です。

　

上部には引き違いの戸があり、中は収納スペース。その下には合計5杯の引き出し。

　

引き出しの内部も全て桐の無垢材です。引戸と引き出しの動きは調整済みで、スムーズに開閉可能です。

　

全ての引き出しに共通で使用可能な鍵が一本付属します。

　

真鍮製の金具は磨き上げて取り付けました。こちらは何もコーティングをしていないため、少しずつ渋い色になっていきます。味わい深い経年変化をお楽しみください。

　

くたびれた小さな箪笥が、装いを新たに生まれ変わりました。

ぜひ、オンラインショップでご覧くださいませ。