Golden full moon
ガラス引き戸の飾り棚。本体は一度全て分解し、各部を補修した後に組み直しています。割れが多くあった板材は新しい合板で作り替え、ガラス戸、引き出しの動きは調整済み。
全体を黒に塗装し、背板に個性的なテクスチャの素材を用いて大きな円を描いています。黒の中に輝くゴールドの円は神秘的で、さながら夜空に浮かぶ満月のよう。
商品詳細
商品名 | 満月の飾り棚 |
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品番 | B1359 |
サイズ | 幅1512×奥行362×高さ1632(mm) |
満月の飾り棚。
こちらが入荷時、リペア前の状態です。
一度全て分解して各部を修復した後、全体を黒で塗装して仕上げています。背板は割れなどの痛みが多かったため、新しくシナ合板で張り替えました。
今回、背板の正面から見える部分に個性的な仕上げを施しています。詳しくは後述します。
引き出しや内部の板も、汚れや割れている箇所が多く見られたため、新しい素材で作り替えています。
リペアの様子。まずは全体の状態を確認しながら、サンドペーパーで表面を研磨していきます。古い塗装を剥がし、表面のキズをできる限り研磨します。
長い年月の間に緩んだ接合部や、痛みがある箇所の補修のため、一度全ての部材に分解します。
ここで、組んだ状態では難しい箇所もしっかりと研磨。
状態を確かめながら必要カ所に補修を施していきます。もう一度組み上げる際にしっかりと組むために、問題となる部分の解決方法をひとつひとつ検討し地道にクリアしていきます。
今回の家具は、敷居(引戸の下のレール)が摩耗して溝がボロボロになってしまっていたため、溝を掘り直し、新たに薄く割いた木材を敷きこんで補修しました。
各部の補修を終え、組み直していきます。事前に組む順序や固定方法などをしっかりとイメージしておき、一気に組み上げ。緩んでいたほぞにはボンドを入れ、クランプで圧着。そのまま次の日まで締めておきます。
今回は元々の板材に汚れや割れが多数あったため、新しくシナ合板に替えています。古い家具はほとんどまっすぐや直角が出ていないため、一枚一枚現物に合わせて加工を繰り返して納めています。
敷居。溝が摩耗し、引戸が途中で引っかかったり溝から外れてしまう状態でしたが、補修により再生しました。引戸はスムーズに開閉可能です。
本体を組んだらいよいよ塗装です。背板と棚板は別々で仕上げ、最後に組み上げます。内側、外側共に黒で塗装して仕上げています。
引手の取り付け。引手はラメ入りのゴールドで塗装して仕上げています。ベースの黒に映えますね。
今回の飾り棚の一番の特徴は、この背板の装飾。
この素材はシルクプラスターというもので、シルクやセルロース繊維などでつくられた素材です。細かな繊維が混ざったこの素材をコテで塗り広げ、乾燥後に専用のニスで保護しています。
作業工程。素材に水を入れ、良く混ぜた後に一晩置き、馴染ませます。
鏝で塗り広げ、表面を押さえます。写真は塗った直後でまだ水を含み、しっとりとした状態。その後、数日間かけてしっかりと乾燥させます。
完全に乾いたら、専用ニスでコーティング。
今回は周りを黒で塗装することで、中央に大きなゴールドの円を表現しました。
棚板と背板を組み上げ。
今回の素材にはシルク繊維と金属糸が入っているため、キラキラと輝き、見る角度によって色々な表情を見せます。
こちらの部分のお手入れは、固く絞った布で優しく拭いてください。ただし、基本的に水には弱いため、お手入れの際は濡らしすぎないようにご注意をお願いいたします。
また、ほこりに関しては素材自体に静電気の帯電防止が施されており、ほこりが付きにくい仕様になっています。
塗り分け部分。周りの黒もテクスチャは残したまま塗装しており、不思議な質感に仕上がりました。
ガラスは元々の古いガラスですので細かなキズや気泡などがありますが、表面がゆらゆらで味があります。
本体は分割不可のワンピース。高さが1632mm程度です。
古家具にリメイクを施したオリジナルな一点モノです。
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