古い家具のビスは、錆びていることが多々あります。このように錆びているビスは非常に脆くなっており、ドライバーで回すと頭の溝が崩れてしまうことも少なくありません。
リペア時の作業性や仕上がりを考えると、金具を一度取り外した方が良い場合が多いため、このサビたビスを外す必要があります。今回は、その外し方の一例をご紹介します。
まずは、錆びて回らないビスの中心に細いドリルで穴をあけます。
その後、ドリルの径が太いものに替えて穴を広げ、ビスの頭を飛ばします。
ビスの頭を飛ばすと、金具を押さえている部分が無くなるため、金具が外れます。この時点ではビスの下の部分はまだ埋まったまま残っている状態。
残っているビスの周りに穴を掘り、スペースをつくります。
できたスペースにラジオペンチを差し込み、残ったビスを抜いて除去は完了。
そして、残った穴を10mmのドリルできれいに掘り直します。
10mmの木ダボで埋め、補修完了です。
そのあと、今回は塗装を施し、新しいビスで金具を元通り取り付けて仕上がりました。
錆びた一本のビスにも、なかなか手間がかかります。長い年月を経た古い家具は、このように手直しが必要な細かな部分が非常にたくさんありますが、ひとつひとつ丁寧な補修を積み重ねて、大切な家具を仕上げていきます。