水屋箪笥

水屋箪笥が仕上がりました。

今回引き戸をガラスに変更し、重厚さと軽やかさを併せ持つ仕上がりになっています。

　

こちらが入荷時、リペア前の状態です。

上の画像をタップ(またはクリック)していただくと、リペア作業の様子がご覧いただけます。

　

側板の淡い緑色の素材は、ファニチャーリノリウム。

リノリウムは、主に亜麻仁油を主原料とした天然素材から製造されています。
独特の柔らかな質感と表情で、欧州では古くからデザイナー家具などに採用されている素材です。
そのナチュラルな質感は、日本の古い家具とも違和感なく馴染みます。

　

木部は研磨して木地を出し、無塗装で仕上げています。引き違いの戸を透明のガラスに替え、全体の印象がスッキリとしました。このガラスは、ストックしている古ガラスを再利用しています。

また、棚板の見付を蛍光レッドで仕上げ、アクセントに。

棚板の向きを前後入れ替えると、反対側はけやき仕上げでリバーシブルになっています。(棚板の向きを変える作業は、ガラスの引き戸を取り外して行います。)

　

引き戸の内部は今回リフレッシュしており、背板はリノリウム、その他はシナ仕上げです。ダメージが大きかった棚板と、無くなっていた引き戸の手掛けは新たに作製しました。

また、引き戸の敷居が摩耗し、建具が通る溝が傷んでしまっていたため、こちらも新たに作製しています。元々の材料の正面は活かした状態で切り欠き、新たに作製したレール部分を埋め込んで補修しています。

　

引き出しの前板と、引き戸の下部分はけやき材でつくられています。研磨により、美しい杢目がはっきりと現れました。

金具も一度取り外し、黒で塗装して仕上げています。

　

下段も同じようにガラスに変更し、内部もリフレッシュ済み。

　　

下段は棚板が2枚あります。

　

けやきの美しい杢目。

4杯の引き出しはスムーズに動くように調整済み。中は研磨し、クリーニングしています。

　

こちらの家具は、下台に上台を乗せる仕様になっており、上下で分割可能です。搬入時などは、上下を分けて運ぶことができます。分割に工具は必要ありません。

重厚さを残しつつ、モダンな水屋箪笥に仕上がりました。

リバーシブルの棚板の向きによって印象が変わりますので、お好みの向きでご使用ください。