粋を凝らした錺(かざり)金具は、時代箪笥の大きな見所のひとつ。
産地によって意匠が変わり、個性が出ます。
赤富士竜市では、当時の職人が魂を込めて制作した逸品をひとつひとつ丁寧にリペアします。
時代箪笥の正面に取り付けられた錺(かざり)金具は、時代箪笥の最も大きな見所のひとつ。
産地によって形や装飾のデザインが違い、その土地ごとの特徴があります。写真は仙台箪笥の錺金具で、横幅が大きく繊細な装飾が惜しみなく施されており大変迫力のある金具です。
当時の錺金具職人により、全て手作業でつくられた金具。
鏨(たがね)と金槌を駆使して、鉄を切り、線を彫り、裏から叩いて膨らみを打ち出し、歪みを取るために周りを叩く。そのような作業を何度も何度も繰り返し、魂を注ぎ込んでつくられた金具は、それ単体のみでも絵になるほどに魅力的です。
錺金具を取り外している途中の仙台箪笥。
釘が錆びていたり、前板に固い欅材が使われていたりする古い時代箪笥の錺金具は取り外すだけでも一苦労です。 金具を傷めないように丁寧に取り外します。
金具を取り外した後、それぞれの金具の状態に応じてひとつひとつ丁寧にリペア作業を進めます。
当時の職人の想いを想像しながら手を入れ、これから先へと受け継ぎます。