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商品紹介products
#リメイク

その空間に、あなただけの月を。

月輪の飾り棚

棚の背面に浮かび上がる月輪は、繊細な金箔を丁寧に貼り込んだ手仕事。
深い背景に佇むその姿は、静寂の中に凛とした存在感を放ちます。
年月を重ねた楢材の風合いが黄金の月を引き立て、まるで夜の情景がそこにあるかのよう。

「満ちゆく途中」の三日月は、内に秘めた力と、静かな希望の象徴です。
この飾り棚は、ただそこに在るだけで、その場所をあなただけの特別な世界へと変え始めます。

模様

商品詳細

商品名 月輪の飾り棚
品番 D0303
サイズ 幅1373✕奥行431✕高さ1745(mm)

月輪(がちりん)の飾り棚。
日本の古い戸棚をリメイクしています。

 

こちらがリメイク前の状態。
大正から昭和初期につくられた家具で、主に楢材でつくられています。

 

この作品の最大の特徴は、背板に大胆に描かれた「月輪」です。
金箔で仕上げた月輪は、やわらかな光を受けてほんのりと輝きます。

この形状は、古来より武将たちが身にまとった兜の「前立」に着想を得たものです。
特に、月をかたどった兜の前立(まえだて)は、古くより「知恵」「内省」「静けさ」の象徴とされ、戦の只中にあっても揺るがぬ精神のあり方を表してきました。

今回の作品では、その意匠を現代のかたちとして再解釈し、ふたつの完全な円をずらして重ねながら、先端で細く繋ぐ造形としました。“理と情”、“強さと静けさ”が共存する、その均衡を探るかのような造形です。

三日月を思わせる輪郭は、移ろいゆく時間と変化を象徴しつつも、その全体が閉じた「完全な円」として繋がっていることに、揺るがぬ静かな意志と、調和への祈りを込めています。

 

外装は加工せず、ワックス仕上げのみ行いました。
元々の木肌や古びた質感を極力残し、美しさを際立たせるしっとりとした艶をプラスしています。

 

下の引戸は木の板からガラスへ変更し、ディスプレイスペースを拡張しました。

 

三日月は、まだすべてを明かさない静かな月。
けれどその細い光は、これから満ちてゆく希望のはじまりを内に秘めています。
空間にそっと添えたそのかたちは、未来へ向かう心の輪郭を映し出すようです。

 

月の部分は、国産の金箔を一枚一枚手作業で貼り込み、その上からコーティングを施して仕上げています。
よく見ると金箔の四角い継ぎ目や細かな皺があります。それらが光の角度によって陰影を生み、まるで月面のような質感を感じさせます。
表面は滑らかに整えてあり、手で触れるとつるりとした平滑な感触です。

 

月輪を囲む黒い部分には、セルロース繊維など天然成分から成る「シルクプラスター」を使用しました。フェルトのように柔らかく温かみのあるこの素材は、光を柔らかく受け止めながら、壁面に吸い込まれるような奥行と静けさを与えてくれます。
さらに、月の外周には夜空に瞬く星々をイメージし、写真では捉えきれないほどの微細なラメを散りばめています。

 

シルクプラスターの施工の様子です。
素材を水と混ぜて一晩寝かせた後、鏝(こて)を使って塗り広げていきます。
作業の感覚としては左官材に近く、乾くと柔らかく不思議な質感に仕上がります。
見た目にも手触りにも独特の魅力があり、今回の作品ではこの素材が金箔の輝きを引き立てる背景となっています。

 

内部の棚板は黒の塗装を施しており、金箔の月がその表面にぼんやりと映り込みます。その様は、まるで水面のよう。
見る角度や光の加減によって、月は本体の中で少しずつ表情を変えながら、静かに揺らめき続けます。

 

サイズ感。
高さが1745mm程度です。

 

また、見た目にはわかりませんが、本体は一度すべて分解し、ほぞの緩みや構造の歪みなどを修正しながら、再度組み直しています。
長い年月によって木は変形し、厳密に見ると直角や直線がひとつも残っていませんが、全体のバランスを見ながら、この家具に最も適した状態に落ち着かせます。

写真はその際の一部の工程です。これから長く使っていただけるようしっかりと補強しました。見えない部分にもしっかりと時間をかけて丁寧に仕上げています。

 

上段の敷居の部材には、経年による反りが見られました。そのため、裏側の見えない部分に補強材を取り付け、構造の安定を図っています。

元々この家具に使用されているのは、無垢材で、さらにつくられてから長い年月を経ています。その特性上、反りや歪みを完全に矯正することは困難ですが、できる限りの調整と補修を行っています。

  

下の部分には引き出しが3杯あります。
シミや汚れがあった引き出し内部も黒で塗装して仕上げています。
もちろん動きも調整済みで、スムーズにご使用いただけます。
また、3杯の引き出しに共通の鍵が一本付属します。
 

もう1本の鍵は、上段の引き違い戸にご使用いただけます。
錠金具を奥の引き戸にしっかり差し込んだ状態で、鍵をお使いください。

 

下段の錠金具は、部品が欠品しているため施錠はできず、鍵もご使用いただけません。
その代わりに、金具の穴を活かして、房飾りをあしらいました。

 

そして、こちらの飾り棚にはLEDの照明を取り付けしています。

 

照明を灯すと、背面の金箔が柔らかく光を受け止め、月輪が静かに浮かび上がります。
まるで夜の静寂に現れる月のように、奥行きと陰影が空間に詩的な表情を与えます。

 

照明のスイッチは下段の棚板の裏にあります。
調光機能付きで、つまみを回して無段階で明るさの調整が可能です。

※ご注意
調光機能をご使用の際、小さな電子音(高周波音)が発生いたします。これは調光機器の構造によるもので、製品の異常ではありません。
この音はガラス戸を閉めることでかなり抑えられます。戸を閉めた状態であれば、日常的な音のある店舗などではほとんど気にならない程度です。

ただし、静かな寝室などではわずかに聞こえる場合がございます。
その際は、明るさを最大(MAX)に設定していただくことで、ノイズ音は発生しなくなります。お使いの環境に合わせて、快適にご利用いただけましたら幸いです。

なお、音の感じ方には個人差があり、また周囲の環境によっても印象が異なります。あらかじめご了承ください。

 

コードの先端は、一般的な家庭用コンセントにそのまま差し込んでご使用いただける仕様です。
コードは背面下部の角(画像の丸印位置)から伸びており、長さは約1.8mあります。

 

本体は上下で分割が可能な構造となっています。
それぞれのサイズは、
上段:幅1373×奥行431×高さ842mm
下段:幅1367×奥行427×高さ911mm です。

正しい位置で上下を重ねると自然に位置が決まり、ずれる心配はありません。
分割して運搬する際は、安全のため引戸を外すことをおすすめします。
引戸は、上方向に持ち上げながら、下部を手前に引くと取り外すことができます。

再度重ねる際は、上下の電源コードを接続してください。
逆に分割する際には、コードを抜くことをお忘れなく。
これらの作業は必ず2人以上で行ってください。

 

本体の上下は、中央の一本のボルトによって連結されています。
引き戸を外し、下段の鴨居を下から見上げると、そのボルトが確認できます。

これは、経年によって生じた部材の反りを互いに引き寄せ、構造の安定性を高めると同時に、引き戸の開閉をよりスムーズにするための工夫です。

古材ならではの風合いや魅力を損なうことなく、現代の暮らしの中でも安心してお使いいただけるよう、見えない部分にも手を尽くしています。

なお、本体を上下に分割する際には、このボルトの取り外しを忘れないように、ご注意ください。

 

ガラスは、当時のものをできる限りそのまま活かしています。
そのため、ところどころに小さなキズが見られることがありますが、これらは長い年月を経てきた痕跡であり、この家具が歩んできた歴史そのものです。
そうした風合いも含めて、お楽しみいただければ幸いです。

 

静けさの中にそっと浮かぶこの月は、あなただけのもの。

この家具がそこに在るだけで、空間はいつしか、特別な意味を帯びていきます。

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