黒い箪笥の正面に、金色の円がある。
山形県鶴岡市、明治頃につくられた衣装箪笥。
正面に、金箔の円が加えられている。
皺と剥がれを伴うランダムな模様で貼られ、周囲の黒も塗りなおされた。
鉄製の手打ち金具には、松竹梅・虎・唐獅子牡丹・鶴亀の立体的な意匠が、金具ごとに異なる組み合わせで表現されている。
同じ意匠を打ち出せる職人は、今は見当たらない。
商品詳細
| 商品名 | 庄内箪笥 |
|---|---|
| 品番 | G0004 |
| サイズ | 幅894✕奥行427✕高さ1063(mm) |

黒い箪笥がある。
凹凸のある鉄製の金具が点在している。
正面の中央には、金色の円が浮かぶ。
古い衣装箪笥の輪郭はそのままに、正面の意匠だけが静かに書き換わった。
Before



庄内箪笥。
産地は山形県の鶴岡。つくられたのは明治頃。
かつては着物が収納されていた。
変化 (Before & After)




正面に、金箔の円が加えられている。
劣化していた周りの黒漆はウレタンで塗りなおされた。
ディテール



金箔は、皺と剥がれを伴うランダムな模様に仕上げられている。
クリアのウレタン塗装で保護。


塗り直した黒い面には軽いエイジング。






鉄板を鏨で打ち出して作られた金具は当時のまま。
文様を内側から打ち出して立体的に盛り上げ、輪郭を彫り出す技法。
打ち出しの技法自体は今も残るが、庄内箪笥特有のこの意匠を打つ職人は見当たらない。
松・竹・梅・虎・唐獅子・牡丹・鶴・亀の意匠が、金具ごとに異なる組み合わせ。
松竹梅と鶴亀は長寿を、竹虎は威厳と力強さを、唐獅子牡丹は富貴を願う意匠として古くから用いられてきた。
引き手は角手。



大きな引き出しは5杯。
内部は杉の無垢材で、研磨してクリーニング。
経年による収縮で生じた割れは埋め木で補修。



右下のガメ戸を開けると、内部に三段の小引き出し。



鍵は3本。
引き出し、戸、それぞれ対応する場所が異なる。




上下二段は重ねてあるだけで分割可能。側面には運ぶための持ち手。
下段の金具を持ち上げ、上段の金具に掛けて留める。

もう誰も打てない金具の下に、金箔の円が差し込まれた。