桐の時代箪笥

時代箪笥のリペアが仕上がりました。

前板はもちろん、底板や本体の背板など全て桐の無垢材でつくられた時代箪笥。
各引き出しの中央にあしらわれた桐葉の錠前金具が特徴的です。
こちらの箪笥は一度金具を全て取り外し、木部の割れ等痛みのあった部分を補修。
その後全体を削り直して素地をつくり、新たに塗装を施し仕上げています。
塗装の色味や艶は、箪笥が製作された当時の仕上がりを再現するように調整しています。

左右の側面には時代箪笥の特徴である竿通しの金具と持ち手があります。

今回のリペアで、桐材の緩やかで美しい木目が蘇りました。
金具は一度全て取り外した際に磨き上げ、サビや汚れを落としたのちに再塗装して仕上げています。

本体の右下部分には開き戸が1枚あり、戸を開けると中には小さめの引き出しが4杯。
戸の内部、引き出しの前板や金具は比較的状態が良かったため、元々の塗装のままで手を加えずクリーニングのみ行っております。

桐の葉を模した錠前金具と引手。
引手はシンプルで細めのタイプが使用されており、全体的にスッキリとした印象の箪笥に仕上がっています。